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1 「相続」って何ですか? 

   相続は分からないからと言ってほっておくと大変なことになります。相続は人が亡くなれば必ず起こる

 ことですが、「相続」とは、亡くなった方が生前持っていた財産や負債などを他の人(亡くなった人の相続

 人です)が当然に引き継ぐことです。この相続人は1人とは限りません。2人であったり、または10人以上

 にもなることもあります。当然相続人の人数が多くなればなるほど手続きも煩雑になり、費用もかかること

  となります。

   相続人とは、亡くなった人(被相続人と言います)との間に一定の身分関係がある人(法定相続人ー続人の範囲と相続分)になります。この相続人ですが、当然に被相続人の財産や負債を引き継ぎます。

 これは、相続人は相続が開始したことを知らなくても、知らないうちに相続人となります。負債よりも財産

 が多ければあまり問題にはなりません(ただし、他の相続人が相続があったことを知らせないことはある

 でしょうが、この場合でも法定相続分は保障されています)が、逆に負債が多いときは、知らないうちに被

 相続人の借金等を相続してしまい債務者になってしまいます。ただ、このときは、「相続しない」旨を裁判

 所に申し立てる「相続放棄」をすることで、「相続が開始されたときから相続人でなかった」ことになります

 が、この申立てには期限があります。この期限を過ぎると、相続人は強制的に財産も負債も含めて全て

 の財産を引き継ぐことになります。この期限は、「3ヶ月以内」に家庭裁判所に申し立てなければなりませ

 んが、被相続人が亡くなった日から3ヶ月ではなく、「自己のために相続があったことを知った日」から

 です。

   相続が開始されると複雑な多くの手続を行わなければなりません。例えば、亡くなった人の不動産、自

 動車、株式等の名義は相続が開始されても亡くなった人のままで当然に変更されません。相続人が相続

 した不動産や株式等を処分するには、亡くなった人の名義ではできません。亡くなった人が「売りたい」と

 いう意思表示をすることはできないからです。この場合には、名義を相続人に変更する手続きをしなけれ

 ばなりません。また、亡くなった人の銀行口座についても同じで、亡くなった人の口座を解約して、入って

 いるお金を相続人が受け取るか、口座名義を変更しなければなりません。このように、亡くなった人から

 相続人名義に変更しないと相続の内容が実現されたとはいえません。この他にも、様々な手続きがあり

 ます。相続が終わったと言えるには、これらの手続きを全部終了させたときに、初めて「相続が終わった」

 ことになります。相続の完了までは短い時間で済むことはありません。司法書士はそのお手伝いをさせて

 頂くことができます。相続で困ったら、司法書士へ相談してください。誠意をもって対応させて頂きます。

              実際の相続手続きの流れは「こちら」を参照して下さい。

2 遺言書の作成は大事ですか?

  遺言は、「遺言者」の生前の最期の言葉(多くは相続人への言葉でしょう)ですが、ただ、遺言者の意思

 を書き残して作成すれば安心というわけではありません。と言いますのも、遺言は、民法でその作成の

 要件や記載事項が厳格に決められているため、これに沿って作成しないと、せっかくの遺言の内

 容の一部や全部が無効になってしまう虞があります。このように、作成した遺言が無効になってしまわ

 ないように、できるだけ専門家である司法書士や弁護士、公証人にご相談されることをお勧めします。
 

(1)遺言は取り消せますか?

   一度、遺言書を作成しても、遺言者はいつでもその遺言の一部又は全部を取り消すことができます。 

  また、書き直すこともできます。これは、気持ちが変わったり、事情が変わったりすることはよくあるから

  です。この場合、日付が新しい遺言書が将来効力の生ずるであろう遺言書となります。
 

(2)特に遺言を作成しておいたほうが良い場合とは?

   ・子供がいない             ・自分の兄弟姉妹には相続させたくない

   ・相続人がいない            ・死後の相続争いをさせたくない

   ・財産を特定の人に継がせたい    ・内縁の夫(又は妻)に相続させたい
 

(3)遺言には主に次の2つがあります(詳しくは「遺言はここ」を参照してください)

 自筆証書遺言

遺言者が遺言の内容の全文を書き、日付・氏名を記載して押印することにより作成する遺言です。

 公正証書遺言

遺言者が公証役場で証人二人の立会のもと、公証人の面前で、遺言の内容を口授し、それに基づいて公証人が遺言書の真意を文章にまとめて作成する遺言です。

  では、なぜそれ程までに厳格に規定されているのでしょうか。これは、「遺言がその効力を生ずるの

 は遺言者がこの世にいない」ときだからです。遺言者がどういう意思で遺言を作成したか、確かめよう

 がなく、これにより、相続人が遺言の解釈で争ったり、故人の意思と異なる遺言執行することを防ぐため

 、遺言の作成段階で厳格な方式が定められているのです。
 

(4)遺言の記載事項

遺言法定事項(法律的な効力が生じる事項) 

付言事項(法律的な効力は生じない事項)

① 相続分の指定
② 遺産分割方法の指定
③ 遺贈
④ 子の認知
⑤ 遺言執行者の指定
⑥ 祭祀承継者の指定
⑦ 相続人の廃除

法律的に効力が生じないが、遺言書に書
き残しておきたい事項等です。遺言者の
 相続人に対しての希望等、例えば、「この
財産を何某に相続させるが、何某を助け
て兄弟仲良く」といった内容です。

(5)遺留分には気をつけましょう!

   「遺留分」とは、相続人のうち、配偶者・直系卑属(子や孫等)、直系尊属(親・祖父母等)に法律上認

 められている最低限の権利で、遺言でも侵害できません権利と考えてください(なお、兄弟姉妹にはこの

 権利はありませんので、兄弟姉妹に自分の財産を相続させたくないときは、遺言によって相続させない

 内容を記載すれば足ります)。したがって、遺言の際にはこの、遺留分に注意してください。例えば、「全

 財産を配偶者に相続させる」旨の遺言があっても、相続人に子供や親がいる場合に、「遺留分」を主張

 すれば一定の割合により、子供や親も財産を取得することになります。

 *遺留分の割合

相続人

相続人全体の遺留分

配偶者の遺留分

配偶者以外の遺留分

配偶者と直系卑属

 1/2

1/4=1/2(遺留分割合)×1/2(法定相続分)

1/4=1/2(遺留分割合)×1/2(法定相続分)

配偶者と直系尊属

 1/2

2/6=1/2(遺留分割合)×2/3(法定相続分)

1/6=1/2(遺留分割合)×1/3(法定相続分)

配偶者と兄弟姉妹

 1/2

   1/2

   な し

配偶者のみ

 1/2

   1/2

 

直系卑属のみ

 1/2

 

   1/2

直系尊属のみ

 1/3

 

   1/3

兄弟姉妹のみ

 な し

 

   な し


(6)遺留分減殺請求権

    この遺留分減殺請求権は、亡くなった人の生前贈与や遺贈によって、上記にあるような相続人の「

  遺留分」が侵害されている場合は、生前贈与や遺贈によって利益を得ている人から不足分を取り戻す

  ことができる権利です。この遺留分減殺請求権は、相続の開始および減殺すべき生前贈与または遺贈

  があったことを知ったときから1年以内に請求しないと消滅してしまします。また、相続開始から10年経

  過した場合も消滅します。遺留分が侵害されているかの算定は、かなり難しいので、専門家である司法

  書士や弁護士へご相談することをお勧めします。
 

(7)遺言は執行のことまで考えて作成しましょう。

   遺言は作成しました。その後、遺言の効力が発生し、その遺言を執行するときになって、法律的には

 有効でも、内容の不備により遺言者の意思の実現ができないこともあります。例えば、遺言が「土地を妻

 に相続させます。」という内容であっても、その土地の上にある建物については全く書かれていない場合

 には、建物は法定相続人全員が取得することとなり、妻が取得するには、別の手続きとして、遺産分割

 協議が必要となってしまいます。また、遺言の中で、遺言執行者を指定していないために、相続人全員

 が執行が参加しなければならないのに、一部の相続人が協力しないので、遺産の引継ぎができない状態

 におちいってしまうこともあります。

  このように、遺言の執行の段階でも安心して遺言の内容が実現できるように、注意して作成しておくこと

 が大切になってきます。

  簡単なようで難しいのが遺言です。遺言を作成しようかなと思いましたら、専門家である司法書士や弁

 護士へご相談ください。
 

3.遺産分割について

  相続人が複数いる場合に遺産をどのように分けるかは、相続人全員の協議(話し合い−遺産分割

 協議と言います)で決定します(相続人が1人のときは必要ありません)。この場合の分け方は自由で、

 相続人のうちの1人が全ての相続財産を取得することもできますし、特定の相続財産(例えば自宅)を配

 偶者(亡くなった人の夫または妻)が取得し、後の相続財産は子供たちで平等の割合で取得するなどとい

 こともできます。

  なお、相続人中に未成年者、不在者(行方不明者)や判断能力が劣っている人(成年被後見人等) 

がいる場合(詳細は「ここ」を参照してください)には、その方たちの権利を害しないように、家庭裁判所

の関与のもと遺産分割協議を進めていくこととなります。

  また、相続人間で話し合いがつかない場合には、「家庭裁判所の調停・審判」(詳細は「ここ」を参照

してください)となります。

(1)遺産分割の方法

現物分割

   相続財産を現物のまま分割する方法です。例えば、甲は不動産、乙は預貯金が取得する等。一般的な分割方法ですが、相続人全員に平等に分割することは難しいです。

換価分割

   相続財産の全部又は一部を金銭に換価して、その換価代金を分割する方法です。現金化することで平等に分割できますが、換価するための費用がかかります。

代償分割

   相続人の1人又は数人に相続財産を全て取得させて、他の共同相続人に対しては相続財産を取得した相続人が代償して法定相続分に相当する代償金を支払う方法です。分割や共有にしたくない財産(不動産や事業承継)があるときに活用できますが、財産を取得する相続人に他の相続人に対して交付できる財産(ほとんどが現金ですが)がないと難しいでしょう。

共有分割

   相続財産の全部又は一部を共同相続人全員の共有(取得する割合は自由です)とする分割方法です。不動産の持分を取得しても、共有者である他の相続人の存在が制限となり自由に処分などすることができません。また、この後に共有となった財産を分割する場合は、「遺産分割」ではなく「共有物の分割」の協議によることとなります。


   このように、どの遺産分割の方法もメリットとデメリットがありますので、ご相談頂いた場合は、メリット

   が最も多くデメリットが最も少ない方法をご提案させて頂きます。
 

(2)遺産分割において考慮しなければならない事情はありますか?

   相続財産を好きなように分割することもできますが、民法では、相続人間の公平を保つため「寄与分」

   と「特別受益」という制度が設けられています。

  ① 寄与分とは?

    亡くなった人の財産の維持または増加について、特別の寄与をした相続人は、その寄与の時

     期、方法や程度、その他一切の事情に応じて「遺産分割の協議」において相当額の財産を取得するこ

     とができる制度です。この場合、相続財産から遺産分割協議で決定した寄与分に相当する財産を差し

     引いて残った財産について遺産分割協議を行います。

  ② 寄与分の例

   「亡くなった人の生活の世話、療養看護をした」、「亡くなった人の事業を手伝った」など、これらのこ

     とによって、亡くなった人の財産の維持または増加に特別の維持をした相続人に認められます。寄与

     分が認められるのは、相続人に限定されていますので、例えば、長男の配偶者が特別の寄与をした

     場合であっても寄与分は認められません。この場合、長男の配偶者に何か残したいということでした

   ら、 遺言で「長男の配偶者何某に〜を遺贈する」旨を定めておくと良いでしょう。

   ③ 特別受益とは?

    数人いる相続人のうち、亡くなった人から特別の財産的利益を受けた者(特別受益者と言います)が

     いる場合には、その財産も相続財産の一部とみなして、相続財産の価額を算定し直し、法定相続分を

     適用させます。この場合、特別受益者は、すでに得ている財産の価額を差し引いた相続分となります    

   。その結果、相続分が残らないこともあります。なお、相続分を超えて特別受益を受けていても、その

   差額については返す必要はありません(相続分は零となります)。

   ④ 特別受益者の例

      ・特定の子供だけが、会社の事業資金の援助を受けた

      ・特定の子供だけが、結婚資金をもらった

      ・親から独立する際に、住宅用購入資金をもらった又は住宅を新築してもらった

      この算定は難しいのですが、簡単に説明しまうと・・・

      相続人として甲さんと乙さんがいますが、甲さんは生前に亡くなった人から結婚資金として金500

    万円をもらっていましたが、乙さんは何ももらっていませんでした。この場合において、相続財産が1

   000万円だったとすると、現在の相続財産1000万円に甲さんがもらった500万円を加算し

   た1500万円を相続財産として分割協議することとなります。これを公平に分けたとき、甲さんと乙

    さんの相続分はそれぞれ750万円となりますが、甲さんはすでに500万円をもらっていますのでこの

    500万円を差し引いた残額250万円となります。乙さんは生前に何ももらっておりませんので750万

   円となります。

    したがいまして、現在の相続財産の1000万円は、

     甲さん250万円、乙さん750万円という内容でそれぞれ取得することとなります。
 

(3)遺言書があるのですが、相続人間で遺言と異なる遺産分割協議はできますか? 

   遺言書は亡くなった人の最期の意思表示であるので、その遺言を尊重することとなりますが、共同相

 人の全員が協議して同意して遺言書と異なる内容の遺産分割協議が成立すれば、遺産分割

 議の決定内容が優先します。これは、亡くなった人の権利と義務は相続人全員に承継されているので

 、相続人全員で決めたことであれば遺言書の内容を変更したと同じだからです。
 

(4)有効に成立した遺産分割の協議の結果を後日にやり直すことはできますか?

   いったん有効に成立した遺産分割の協議の結果をやり直すことができるかですが・・・、

   ① 例えば、共同相続人である甲は、相続財産である不動産を取得する代わりに他の相続人の一人

       である亡くなった人の妻(乙)−甲の母です)と同居して、乙が満足するような方法で乙の老後を扶養

       する合意をしたが、その後甲はこの合意を守らなくなったため乙を除く他の共同相続人から約束違

       反を理由に遺産分割の協議を解除する申し出があった場合、この解除が認められるかですが、この

       場合は認められません。少し難しくなりますが、遺産分割協議はその性質から考えて協議が成立し

       たと同時に終了していること、協議の成立後においては乙が負担した債務(扶養義務)と債権を取得

       した他の共同相続人間の債権債務関係のみが残るだけだからです。

   ② 一方で、上記①のように約束違反ではなく、共同相続人全員の合意があれば、いったん成立した

      遺産分割協議を解除して、再協議をすることができます。ここでは、法律上の法定解除(すなわち約

      束違反による解除)ではなく、「共同相続人全員による合意解除」であれば、有効に成立している遺

      産分割協議を解除することが認められます。

          安心のある遺産分割協議をするには・・・、「ここ」を参照してください。

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